「初春狸御殿」

 ジャンルとしての狸御殿映画は1939年の「狸御殿」から2005年の「オペレッタ狸御殿」(鈴木清順監督)まで八作品を数えている。原作は第一作の監督木村恵吾で、リメイクを重ねるうちに和製ミュージカルを代表する定番となった。
 同監督が1959年(昭和34年)に大映で撮ったのが「初春狸御殿」で、このときは市川雷蔵、勝新太郎、若尾文子ら大映スターが総出演して、軽快で明るく楽しい絵巻を繰り広げた。
 ゲスト陣も豪華でトニー谷、和田弘とマヒナスターズ、松尾和子ら当時の人気者とともに日劇ミュージックホールから小浜奈々子がセミ・ヌードのニンフ役で出演している。
 その「初春狸御殿」が新春1月8日にNHKBSで放送されます。
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by yumenonokoriga | 2014-12-30 09:10 | 日劇ミュージックホールの文学誌 | Comments(0)

谷崎潤一郎と春川ますみとの対談

 谷崎潤一郎が春川ますみを贔屓にしていたのはよく知られている。そのお気に入りの女優との対談が『谷崎潤一郎対談集―藝能編』(小谷野敦、細江光編、中央公論新社2014.9)に収録されている。同年三月熱海の谷崎邸で行われた対談は講談社発行の雑誌「日本」の一九五九年(昭和三十四年)五月号に掲載された。
 「彼女の映画入りにさきがけて巨匠が病をおしての激励対談!」と編集部の前書きにあるように春川ますみはこの年のお正月に公開された「グラマ島の誘惑」と「続・社長三代記」に出演しており、 すでにミュージックホールを引いて映画界に入る決心をしていた。
この年の二月二十六日から五月五日までミュージックホールの公演は「白日夢」で、谷崎は構成演出者に名前を列ねている。これが春川ますみのミュージックホール最後の舞台であり、奇しくも谷崎の作品に送られるかたちで映画界入りしたのだった。それを寿ぐように「巨匠」は「君はこの前会った時より美人になったね。どうも映画の世界に入ると舞台の時より美人になる」とサービスに務めている。
 春川ますみのあだなは「ダルマちゃん」。この対談によるとさいしょに雪ダルマで出たのがはじまりだそうだが、この対談のころは「マ」が抜けて「ダルちゃん」と言われていたとか。浅草時代はメリー・ローズの名前で踊っていて、その風貌から「ダルマちゃん」とともに「ジャンボちゃん」の愛称もあったという。
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by yumenonokoriga | 2014-12-25 09:20 | 日劇ミュージックホールの文学誌 | Comments(0)

歌手岬マコ

日比谷の日劇ミュージックホールの後半の時期、トップスター岬マコは歌手としても出演していた。本業の歌手と比べてすこしも遜色がない素敵なステージだった。
NMHOG会でマコさんの歌を聞かせてもらって感激しているわたしだが、ミュージックホールで彼女の歌う姿を見て、ダンサーだけでもたいへんなのに歌手まで担当させるのはずいぶん東宝も人使いが荒いなと思ってもいた。マイクをもつ岬マコのうしろに劇場の合理化策を感じていた。
先月の第二回NMHOG会で梓かおりさんにその話をしたところ「わたしはまったくそんなふうに見ていなかった。マコは未来劇場でも歌っていたから、ミュージックホールで歌うのにふさわしい人だったのよ」とおっしゃっていた。
日比谷の劇場で岬マコはダンサーとともに歌手としての才能を発揮していたのだった。
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(写真は岬マコさんと小鳩美樹さん)
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by yumenonokoriga | 2014-12-20 09:55 | 日劇ミュージックホールの文学誌 | Comments(1)

「プカプカ」

〈おれのあん娘はタバコが好きでいつもプカプカプカ 
体に悪いからやめなって言ってもいつもプカプカプカ
遠い空から降ってくるって言う「幸せ」ってやつがあたいにわかるまで
あたいタバコやめないわ〉
先日のNMHOG会で殿岡ハツエさんが歌ったのが自身のヒット曲「プカプカ」だった。
シンガーソングライターの西岡恭蔵がジャズシンガー安田南をモデルにして作詞作曲したこの曲に70年代への郷愁を覚える人は多いだろう。カヴァーヴァージョンは多く、殿岡さんをはじめ原田芳雄、桃井かおり、宇崎竜童そして近年では福山雅治や奥田民生も歌っている。
殿岡さんのレコードは1974年にリリースされており、ことし再びシングルCDとして復刻リリースされた。そのご本人が歌う「プカプカ」に感激!
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by yumenonokoriga | 2014-12-15 07:59 | 日劇ミュージックホールの文学誌 | Comments(0)

「いれずみ突撃隊」と「かぶりつき人生」

先月開かれた第二回ミュージックホールOG会の席上、殿岡ハツエさんがミュージックホールの舞台に立ちながら映画に出演していた当時の話をされた。
高倉健さんの訃報のあった直後で、話題は健さんとの共演や高倉健、江利チエミ夫妻との交際に及んだ。
殿岡さんが健さんと共演したのは昭和39年公開の「いれずみ突撃隊」(東映)で津川雅彦、杉浦直樹、朝丘雪路といった人たちも出演している。なおYouTubeに予告篇があり、殿岡さんのシーンも見られます。
「でも、スクリーンでは脇役が多かったのよね」と殿岡さん。
すると誰かが「何言ってるの『かぶりつき人生』では出ずっぱりの主役だったじゃない」と声をかけると「あ、忘れてた」。そこで一同大笑い。
「かぶりつき人生」(日活)は昭和43年に公開された神代辰巳の初監督作品である。
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by yumenonokoriga | 2014-12-10 09:30 | 日劇ミュージックホールの文学誌 | Comments(0)

「殺人容疑者」

 昭和三十年代を中心とした日本映画をめぐる対談川本三郎、筒井清忠『日本映画 隠れた名作 』(中公選書)にジプシー・ローズが出演した「殺人容疑者」という映画が紹介されていた。
 「『殺人容疑者』(昭和27年)も面白い。丹波哲郎が犯人役。ストリッパーの役でなんと戦後の人気ストリッパー、ジプシー・ローズが出ています。これは刑事ものというか、犯罪ものです。警視庁の刑事たちが、渋谷で起きた殺人事件を追う。当時の東京でロケされていて、ドキュメンタリーの味がある」。
 新東宝作品で、監督は「その場所に女ありて」や「黒い画集 寒流」などで評価の高い鈴木英夫。また共同監督として蜷川親博がクレジットされている。
 題名さえ知らなかった作品だから、当然未見で、いずれ鑑賞できるよう願っておこう。
 ジプシー・ローズについては「さらば!日劇ミュージックホール」(東宝)というVHSビデオにモノクロ映像が挿入されていて、映画からの引用と思われるが作品名の記載がなく、これが「殺人容疑者」からのものかどうかはわからない。
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by yumenonokoriga | 2014-12-04 09:28 | 日劇ミュージックホールの文学誌 | Comments(0)

Aafter Hours

 「夢の残り香~日劇ミュージックホールの文学誌」の閉幕のごあいさつを書いて三か月が経ちました。閉幕は手許の資料はもう使い切ったとの判断でした。
 ただ、この三か月のあいだに二三の関係資料に接し、そのままにしておくのに少しばかり腹ふくるる思いがしていました。
 そこで、閉店のあと、Aafter Hoursと題して不定期に、字数も気にせず、資料の紹介やニュースを掲載してみようという気になりました。
 よろしければこれまで同様おつきあいください。

 といったところでひとつニュースを載せておきます。
 先月11月24日第二回NMHOG会が、ちょいと早い忘年会を兼ねて開かれ、梓かおり、小浜奈々子、小鳩美樹、殿岡ハツエ、松永てるほ、岬マコ、若山昌子(五十音順)のみなさんが参加されました。わたしも世話人の一人として出席させていただきました。
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by yumenonokoriga | 2014-12-04 09:03 | 日劇ミュージックホールの文学誌 | Comments(0)