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ヌードと源実朝

自宅に近い上野の桜も散って葉桜の季節となったが、四月としては寒くて、みずみずしく緑濃い若葉となるにはいますこし時間がかかりそうだ。桜は爛漫と咲き盛る情景が讃えられるとともに、「世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」(在原業平)に見られるようにその散りぎわのあわただしさがことのほか愛惜されてきた。
鎌倉幕府第三代将軍源実朝の『金槐和歌集』にも「行きて見むと思ひしほどに散りにけりあやなの花や風たたぬ間に」という散る花を惜しむ和歌が収められている。
丸尾長顕は桜花をヌードに見立てて、実朝のこの歌にヌードの生命の短さを思ったという。そして「ヌードと源実朝とどんな関係があるのか知らないが、この多感な詩人はヌードの運命をいみじくも歌いあげているような気がする」「全く、風も吹かないのに、花の盛りだと思っていたストリッパーが、知らぬ間に姿を消してしまったことも、しばしばだった」と書いている。(『情事の手帖』南国書房、昭和三十五年)
桜とヌードが二重映しになって歳時記を見ていると「夕ざくら髪くろぐろと洗ひ終ふ」(七菜子)という句があり、エロティックな雰囲気がただようのだった。
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by yumenonokoriga | 2015-04-13 10:08 | 日劇ミュージックホールの文学誌 | Comments(0)