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園はるみのこと

「薄暮浅草ロツク座。演芸終りて後桜むつ子隅田三七子園はるみ等と喫茶店福島に談笑す」(昭和二十四年十月十七日)「錦糸堀よりバスにて浅草に至る。ロツク座終演後園はるみ桜むつ子等と再び杯一に飲む。猥談百出。酔うてかへる」(昭和二十五年一月七日)
いずれも永井荷風『断腸亭日乗』より。
文中の園はるみはロック座の踊り子で、のちに新宿セントラルを経て日劇ミュージックホール入りをした。荷風日記に記述はないが小柳詳助『G線上のマリア』によると、荷風は彼女の紹介でジプシー・ローズと会っている。
昭和二十四年にロック座でデビューし持ち前のバイタリティを発揮して売れっ子になった園はるみだったが相手構わずのファイトがわざわいしてミュージックホール入りする際にはダンサー連から反対の声が起き、新宿セントラル以来の先輩だった桜洋子のとりなしで実現したとか。
南博・永井啓夫・小沢昭一編『芸双書』3『さらす ストリップの世界』(白水社一九八一年)にある橋本与志夫「懐かしのストリップのスターたち」に上のエピソードと併せて彼女の後日談がある。それによれば、もともと彼女は歌うのが好きで、発声を習ったり音楽評論家からアドバイスを受けたりしていて、はだかを廃業した昭和三十三年にハワイのクラブへ武者修行に出かけ、さらにロスアンゼルスとラスベガスの劇場に出演し、帰国した昭和三十五年の暮れにラテン歌手前田はるみとしてデビューを果たしている。
またネットの紹介には「1982年にはアルゼンチンを訪れ、テレビ、ステージ、映画などに大活躍して名声を確立。1991年ブエノスアイレスでCDを録音、1993年来日したオマール・バレンテ楽団と全国公演し、二枚目のCDを発売。1995年、1997年同楽団と再度全国ツアー。1995年三越劇場のリサイタルでタンゴ歌手で初めて文化庁芸術祭優秀賞を受賞」とあり、いまも現役との由だ。わたしはタンゴやラテンの歌手の世界に疎くて存じ上げなかったが、この方面の大御所的存在のようだ。さっそくCDを探して聴いてみよう。
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by yumenonokoriga | 2015-05-06 09:21 | 日劇ミュージックホールの文学誌 | Comments(0)